2009年11月24日
ユワンツチトリモチ

ツチトリモチ科 ツチトリモチ目 ユワンツチトリモチ
(ビャクダン目 もしくは分類未確定という分類体系もあり)
学術名は鹿児島県レッドデータブックによると「Balanophora yuwanensis Akuzawa et Sakuta」
キノコに見えますが、菌類ではなく双子葉植物です。
イジュなど常緑樹の根に寄生します。
葉緑素は持っていません。
地上へは花序(花茎)だけが顔を出します。
花序は肉穂花序で、丸い頭のような部分に小さな花を密集させます。
大きいのは4cmほどに成長します。
花期は12月から1月ごろまで。
ちょっと早いかなあと思って出かけましたが、赤い花穂(かすい)がにょっきりと頭を出していました。
奄美大島の最高峰・湯湾岳(宇検村 694m)の山頂周辺だけに自生します。
奄美固有というか湯湾岳固有なので、物珍しさからか荒らされる被害があり、
年々減少しているということです。
県レッドデータブックでは、植物 絶滅危惧1類(490種)に分類されています。
http://www.pref.kagoshima.jp/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/reddata/index.html
ちなみに、観賞用の栽培は不可能とのことです。
希少種というのは、人の手がかかると死滅する種ということですね。
環境の変化に極端に弱いので、そのまま、そっと観察する(させてもらう)ことが大切です。
ところで、奄美地方はこの連休の間毎日が激しい雨でした。
雨ではありましたが
雨なら農作業ができないから案内してあげますよと言ってくださる方がいて
合羽を着込んでエンジン音もルンルンで出かけていきましたら、
マテリアの滝を越えようとする林道で土砂崩れしていました。


しかたなく迂回して湯湾岳を目指しました。
山はあちこちで俄(にわか)作りの滝が流れており、河口付近の海岸は茶色く濁っていました。
山肌にアスファルトの道を走らせると、その道路で
縦に流れる水の流れが遮られてしまいます。
それが道路の下側の植物等の生態系に悪影響を与えるそうです。
山肌から滝となってあふれ出すこの大量の雨が、
奄美の自然を育むひとつの大きな要素なのですね。
Posted by チャーリー at 20:30│Comments(0)
│奄美を彩る草花